【FIREを達成するための知識】早期リタイアが退職金に及ぼす影響や企業年金の目減りについて

老後資金の形成と早期リタイアのための資金を並行して準備するのは大変ですが、老後資金の大半は退職金制度でまかなえる可能性があります。

この記事では、早期のFIRE達成で貰える退職金がどうなるのかについて紹介していきます。

目次

     1.老後資金は退職金から捻出する

     2.基本的な仕組みを把握する

     3.早期リタイアは退職金額を下げる

     4.希望退職募集について

 

 

老後資金は退職金から捻出する
1

中小企業の退職金水準は約1,000万円、大企業で約2,000万円となります。

8割の企業には退職金制度があるので、多くの会社員は老後に使うお金の準備が進んでいることになります。

ただし、上記の金額は同じ会社で新卒から定年まで働いた場合のモデルのため、FIREで早期リタイアをした場合は満額をもらうことはできません。

転職した場合も小刻みになってしまうため、まとまった資金として最後にもらえるわけではありません。

ただ、自分で行う積立とは別にもう一つの「積立枠」があると考えればこの仕組みを知っておくことは重要です。

 

基本的な仕組みを把握する2

退職金制度は各社によって異なりますので、退職金規定を把握するところからはじめてみると良いでしょう。

会社は基本的には退職金制度が有り、その一部無いし全部を企業年金制度で準備します。

現在は、確定給付企業年金と企業型の確定拠出年金が主流です。

制度の種類を確認した後は、大まかで構わないのでどの程度貰えそうかを把握しましょう。

そして、FIREを目指す人が必ずチェックしないといけないのは自己都合退職による給与カット(ペナルティ)規定です。

会社都合であればもちろん満額支給されますが、「自己都合での退社の場合は20%がカットされる」のような規定があることが多いです。

一般的に長期勤続すると減額率は下がり、55歳以降になると減額0に近づきます。

 

早期リタイアは退職金額を下げる
3

多くの会社は早期の離職を避けるため、ある程度の勤続をしないと退職金の水準が上がらない仕組みとなっています。

また、年齢に応じて賃金が増える傾向があり、賃金水準と退職金水準は比例するのが一般的なので、社会人生活の前半と後半では、後半の方が獲得する退職金額が多くなります。

つまり、キャリアの真ん中(40歳付近)で退職した際の退職金額は半分ではなく3~4割となるイメージとなります。

それに加えて、自己都合退職による給与カット規定も勤続年数が短いほど厳し目に設定されることが多く、勤続10~20年の早期退職は30%カットなどという場合もザラにあります。

こうなってしまったら、ただでさえ少ない退職金がさらに少なくなってしますということになります。

 

希望退職募集について
4

FIRE志願者にとって、会社が希望退職者を募った時はチャンスといえます。

日本の労働法制では指名解雇は難しいので、自発的に退職を促すために退職金の割増支給を行うことがあります。

金額はその会社の設定にもよりますが、この上積みが年収1年分を超えることがありあす。

もちろん早期退職をすることで勤続年数が短くなる分、満額の退職金をもらうことはできません。

しかし、FIREを目指す場合は、織り込み済みのはずです。

むしろ年収の1年分以上のまとまった金額を受け取ることができるチャンスは、FIRE志願者にとってはありがたい収入となります。

ただし、難しいのは割増退職金は貰いたいが今すぐFIREするわけではないというケースです。

次の仕事を探してまだもう数年は働きたいと考える場合、割増退職金を受け取る前に次の仕事を探して、内定をもらう必要があります。

転職経験がない場合は、雇用保険の支給日内で次の仕事が見つからない場合もあり、注意したいところです。