【FIREを達成するための知識】ライフプランに大きく関わる、家の確保、保険の加入、子供の有無について

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FIRE達成を目指す上で、家の確保、保険の加入、子供の有無といった選択は、達成の難易度に大きく関わります。

この記事では、それらの要素がFIRE達成にどう関わってくるのか紹介していきます。

 

目次

     1.ライフイベントをクリアするマネープランが重要

     2.家の確保について

       ・家の確保はどう考えるべきか 

       ・マイホームなしの老後は厳しい 

       ・住宅ローン設定者には税制優遇が与えられる 

       ・FIRE達成に必要なローン計画住宅 

     3.保険の加入について

       ・保険は入るべきか入らなくても良いか 

       ・医療保険:高額な医療負担が課されることはない 

       ・死亡保険:死亡した時の保障はいらない 

       ・必要なリスクにのみ備えれば良い 

     4.子供の有無について

       ・子供を育てるとFIRE達成が遠のくのか 

       ・子育てに必要な費用はどれくらい? 

       ・費用面におけるキーポイント 

       ・奨学金に対する考え 

       ・子供がいない人生をどう考えるか 

 

ライフイベントをクリアするマネープランが重要
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人生は人それぞれで与えられた条件も異なります。

結婚の選択、住宅の購入、子供の人数と発生する養育費用、親の介護の有無、相続財産の有無などで大きく左右されるものですが、お金のやりくりをどうするかを見極められる程度のマネーリテラシーとプランニングは必要です。

幅広い知識を持ち、適切な選択をしていくことでFIRE達成へのチャレンジができます。

逆にそれらを持ち合わせていないでFIREを達成することは非常に困難です。

FIREを目指す上では、「稼ぐ→貯める→増やす」の基本的な流れに加えて、その他で影響を及ぼす要素を考慮することが重要です。

 

家の確保について
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家の確保はどう考えるべきか

家の取得を考えることは、FIRE達成に欠かせない要素の一つです。

むしろ、「住宅購入+FIREの達成資金確保」があってはじめてFIREに踏み切れると考える必要があります。

家を買うために多額の支出をしなければならず、その分FIRE達成するための資産形成がままならないことになるため、「家」の購入とFIREは一見すると矛盾する要素と思えますが、FIRE達成に家賃を払うとなれば、その分を別途確保することになります。

つまり、FIRE達成に必要な額が上乗せされるということです。

 

マイホームなしの老後は厳しい

公的年金は日常生活費のみを想定して設定されており、家賃手当を含んでいません。

つまり、リタイア後は「原則として住宅を所有していること」を想定しているということです。

住宅ローン減税の政策を実施しているのは、住宅の取得を促しているともいえます。

したがって、生涯を賃貸で過ごしたいと考える人は、「老後2000万円問題」とは別に「老後の生涯家賃相当分」を確保してリタイアする必要があります。

また、老後だけではなく、FIRE期間中も家賃が必要となります。

仮に40歳でFIREを達成し、月6万円の賃貸に住む場合、25年分を確保するなら1800万円です。

FIRE達成前までは賃貸で良いかと思いますが、FIRE達成後や老後については「ずっと居座り続けれるマイホームの確保」を早々に検討するのが吉かもしれません。

 

住宅ローン設定者には税制優遇が与えられる

住宅ローン減税はiDeCoと並んで会社員が得られる数少ない税制メリット(所得控除)です。

FIRE達成後は、所得がなくなり資産の収益や取り崩しで暮らすことを考えると、所得税・住民税の課税額が減少し、税軽減メリットを最大限享受できなくなります。

したがって、FIRE達成までに家を購入し、住宅ローン減税を活用するような視点も必要になるかと思います。

住宅ローン減税に関しては、以下のHP(国土交通省が作成)で詳しく説明しておりますので、ご参照ください。

sumai-kyufu.jp

 

FIRE達成に必要なローン計画住宅

家を買うためにはまず、無理のない価格水準の物件を選び、可能な限り低金利でローンを組む必要がありますが、できる限り多くの頭金作りと短い返済計画を立てることがFIRE達成のために重要かと思います。

頭金を多くすることで、借入額を減らし、ローンにかかる利息を軽減できます。

返済計画を短くすることは、FIRE成功後にローン返済を残さないために欠かせません。また、返済計画を長期に設定するほど利息もかかり続けるため、短期返済を設定するほうが有利になります。

住宅購入は頭金と返済を考えると数千万円の「寄り道」に思えるかもしれません。

家を買ったらFIREから遠ざかるのではと考えてしまいます。

しかし、寄り道と考えるのはあまりにも安易な考えです。

家賃は、いつまでたっても支出ですが、住宅ローンは借りたお金を返し続けるプロセスであり、最終的には持ち家が資産となります。

「家を含めてFIREのプランニングが必要なのだ」と考えるべきでしょう。

 

保険の加入について

保険は入るべきか入らなくても良いか

結論ですが、FIREを目指す人は民間保険に入る必要はないと考えます。

大病になっても高額療養費制度により負担額は打ち止めとなり、資産状況的に困ることはないと想定されること、また、死亡保障をむやみやたらにつける必要はないと考えるからです。

詳細を詳しく述べていきます。

 

医療保険:高額な医療負担が課されることはない

病気や怪我になった場合、実際に掛かった医療費の3割負担で治療が受けれます。

これは、公的な健康保険に加入して健康保険料を納めているからです。

医療費が毎月の納付額を超えても超過分を請求されることもありません。

また、1ヶ月あたりの医療費が約8万円になると負担額は打ち止めとなります。

例:69歳以下、年収約370~約770万円の場合→80,100円+(医療費-267,000)×1%

これが 「高額療養費制度」というものです。

つまり、基本的には年間約100万円程度で医療費負担は打ち止めになります。

更に、高額療養の対象月が4回以上になると、さらに上限額が引き下げられます。

この場合、月44,000円となりなります。

したがいまして、1年間、月8万円の医療費がかかる状態になったとしても年間60万円以上の負担を考える必要はありません(約8万円×3ヶ月、4.4万円×9ヶ月=63.6万円の試算)

また、会社員の場合「傷病手当」で最大で1年半に渡って、休む前の給与3分の2相当の金額を受け取ることができます

※3分の2といっても非課税扱いなので、休む前の手取りに近い額になります。

www.mhlw.go.jp

 

死亡保険:死亡した時の保障はいらない

あなたが独身で葬式代が出せれば十分であるならば、FIREのために溜め込んだ資金を親族に使ってもらえば十分に足ります。

共働きなら、仮に死亡したとしても、遺族基礎年金(子が18歳到達の年度末まで)・遺族厚生年金も国から支給されるため、生活が成り立たなくなることはないでしょう。

具体的な金額でいうと、FIRE達成に向けてすでに2,000~3,000万円を貯めている場合は、葬式代や子供の養育費、教育費はなんとかなると思います。

仮に、高額の死亡保険を掛け捨てで加入していた場合は、どのほとんどは戻ってこないことになります。

 

必要なリスクにのみ備えれば良い

私見ですが、単身のうちや子供が誕生して高校や大学等のまとまった学費が必要になるまでは、少なくとも保険の加入は不要と考えます。

加入するとすれば、「子供の学費分だけ掛ける」や「毎月数千円の掛け捨てで1,000万円の死亡保険に入る」等が選択肢になるかと思います。

また、それでもどうしても不安という方は「都道県民共済」に加入し、月2,000円を払えば良いでしょう。

都道県民共済は支払いに使われなかったお金を還付する仕組みが有り、全国平均で約39%が払い戻されています。

つまり、実質的な掛け捨て悲嘆学は月々約1,200円程度ということです。

 

子供の有無について
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子供を育てるとFIRE達成が遠のくのか

子供を育てるのは、お金と時間がかかるものです。

FIREを達成するには節約しながら投資資金をつくる必要があるため、子供ができたらFIREは難しいと考えられがちです。

それは概ね間違っておらず、達成の難易度が上がるのは確実です。

ただし、人生において子供の有無というのは、満足感や幸福感において、重要な要素の一つになるかと思います。

この章では、子育てに必要な費用や、費用面におけるキーポイント、人生の選択について考えていければと思います。

 

子育てに必要な費用はどれくらい?

費用は大きく2つに分けて「養育費」と「教育費」になります。

 

○養育費はいくらかかる?

0才から22才までかかる養育費:総額約1,963万円

(参照:内閣府インターネットによる子育て費用に関する調査』2010年3月、

(参照:独立行政法人日本学生支援機構令和2年度学生生活調査』2022年3月)

以下のサイトで詳細に解説されております。

www.smbc-card.com

 

○教育費はいくらかかる?

幼稚園から大学まですべて公立(大学は国立)のケース:総額約1,080万円

幼稚園から大学まですべて私立(大学は理系)のケース:総額約2,656万円

(参照:文部科学省平成30年度子供の学習費調査の結果について』2019年12月、

日本政策金融金庫『教育費負担の実態調査結果』2020年10月)

以下のサイトで詳細に解説されております。

lify.jp

以上から、養育費と教育費を合わせた子育て総額費用は、3,043~4,619万円程度かかるとされております。

ただし、この費用はあくまで平均値です。

学習塾へ通わず自主勉強で受験へ挑んだり、親元から離れた学校へ通ったりすると、費用は大きく変わっていきます。

 

費用面におけるキーポイント

高校と大学の学費総額は、選択によって大きく異なってきます。

具体的には、進路の私立、国公立の違い、学部学科の違いです。

前述の通り、総額平均は、約1,080万円~約2,656万円の振れ幅がありますが、こればかりは子供が将来どの進路をたどるかは読めないので、選択肢を狭めないためにも、高めに見積もっておいた方が良いと思います。

また、見逃せないのが、予備校や塾の費用上乗せです。

無制限に予算を見積もっていると年間100万円どころではないと思います。

かといって留年や浪人を繰り返すようでは費用負担がかさんでしまうため、必要かどうかその都度、冷静に見極める必要があります。

 

奨学金に対する考え

日本学生支援機構「平成30年度 学生生活調査」の結果によると、奨学金を受給している学生の割合は、大学(昼間部)で47.5%、短期大学(昼間部)で55.2%、大学院修士課程で48.0%、大学院博士課程で53.5%となっています。

子供が大学に 入学する頃に、自身は40代後半~50代でFIRE達成に向けたフェーズに差し掛かっていることでしょう。

つまり、経済的な安定を標準的なリタイアより10 年以上早く達成しておきながら、子供の学費は奨学金を取らせるというのは、親子間で心理的な折り合いがつきにくいのではと想定します。(私がもし子供側だった場合、十分な金銭的余裕があるはずなのに、ン何故、自分の学費は払ってくれないのか?と多少なりとは疑念を抱いてしまうと思います。)

子供の大学入学時にFIRE達成できていない場合は、奨学金に頼ることも仕方ないかと思いますが、FIRE達成に踏み切るという場合は、子供の学費負担も親として行うものと考えておいたほうが良いでしょう。

 

子供がいない人生をどう考えるか

子供がいない人生を選ぶということはそれほど難しいことではありません。

結婚しない、あるいは結婚しても子供を作らない選択を夫婦をすることもでき、幸せの価値観は人それぞれであることは言うまでも有りません。

ただ、子供が欲しいと思った際に、すぐに子供ができるかどうかはわかりません。

あとから「子供が欲しい」と思っても時間をさかのぼることはできません。

私自身、まだ子供はいませんが、子供がいることで得られる喜びや幸福感は何にも変えることができない特別な感情なんだろうなと思っています。

人生という長い期間において、子供の有無は、非常に重要なポイントになるかと思うので、自身またはパートナーと向き合って、皆さんにとって悔いのない選択ができるように願っています。

 

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