【FIREを達成するための知識】公的な制度への理解を深めよう
FIRE達成を目指す上で、年金などの社会保障制度への理解を深めることは重要です。
特に公的年金の制度を誤解したままFIREの計画を立てようとすると、必要な目標額は増大し、目標達成が大きく遠のいてしまうことでしょう。
公的な制度への理解は必要不可欠
最低でも、年金(国民年金/厚生年金)、保険(健康保険/雇用保険/労災保険/介護保険)など、社会保証制度の仕組み、給付の仕組みは知識としてしっかり抑えておきたいところです。
FIRE後でも国民年金保険料や国民健康保険料、介護保険料は払わなければいけません。
例えば令和4年度の国民年金保険料は月当たり16,610円です。
年間だと199,320円の負担です。
さらに、扶養している配偶者がいる場合、国民年金保険料は配偶者にもかかってくる点にも注意が必要です。
場合によっては2人分の約40万円の負担となる可能性もあります。
国民健康保険料は所得により異なりますが、数万円~数十万円の負担になります。
これだけで相当な負担ですね。
国の年金制度は破綻しない
よく年金制度の破綻を唱え、不安を煽る人がいますが、これは完全に誤りです。
年金制度は国が社会保障制度として運営管理しているので、日本がなくならない限り、年金制度が破綻することはありません。
少子高齢化に伴い、1人の高齢者を支える現役世代の人数が減り、その負担も増えていますが、マクロ経済スライド(年金額の抑制)や、受給開始年齢の引き上げ、消費税の増税分の投入など、様々な方法で年金制度が破綻しないよう制度改正が行われています。
今では収入と支出、つまり、年金保険料と年金の給付を自動的にバランスするようにしていますので、そももそ破綻のしようがないのです。
こちらは、「日本は少子高齢化が進む社会なので、かつては多くの現役世代でお年寄りを支える『お神輿型』でしたが、今は3人で1人を支える『騎馬戦型』、そして将来は1人で1人を支える『肩車型』に確実に変化していきます」という「今のままでは将来世代はこの負担に耐えられません」というありがちな図です。
「少子高齢化」というのは今の日本の社会情勢を最もよくあらわすキーワードなので、この話は実に説得力があるように思えます。
「働いている人」と「働いてない人」で見ると?
上記の図は「65歳以上か65歳未満かという年齢で区切っただけ数字」です。
ただ、そのような区切り方は果たして正しいのでしょうか?
社会保険制度は現役で働いている人が保険料を負担し、逆に働いていなければ年齢が若くても保険料は払えません。
そのような観点で考えると、単に年齢で区切って、その比率を比べるのではなく「働いている人が働いていない人を養っている割合がどれぐらいか」で考えるべきです。
つまり1人の就業者(働いている人)が何人の非就業者(働いていない人)を支えているか、を見ることが大切なのです。
以下の図をご覧ください。
2020年時点では1人が0.89人を支えており、約30年前の1990年には1人で0.96人、そして半世紀前の1970年の時は1人が1.05人という数字になっています。
なんと、お神輿型と言われていた1970年よりも、今の方が高齢者の数は増えているにもかかわらず、支えている人数自体はわずかですが、減っているのです。
さらに20年後を見てもその数字は0.96人ですからほとんど変わりません。
2040年は少子高齢化がピークを迎える頃と言われていますが、その頃でも今とほとんど同じなのです。
つまり、「何人の働いている人が、何人の働いていない人を支えているか」という観点で見ると、昔からこの数字はほとんど変わっていないし、今後もほとんど変わらないということが分かります。
公的年金は終身に渡って受け続けることができる
公的年金に制度には終身給付の原則があります。
仮に納付した保険料以上の給付をもらおうと支給停止はなく、生きている限りずっと年金を受け取れます。
老後20年分のお金を蓄えていたとしても、20年後に元気であったら、その後の生活費が無くて困りますが、公的年金はそのような不確定要素に対する強力な保証となります。
また、FIRE達成のためには「標準的な引退年齢より早くリタイアするための必要資金の確保」と「標準的な引退年齢以降の老後資金確保」の2つを同時にクリアする必要がありますが、公的年金は、一生涯保証されている定期収入となり、これほど心強い"金融商品"は他にありません。
早期FIREによる年金受給額低下のリスク
年金制度には公民全員が加入する国民保険と会社員や公務員が加入する厚生年金がありますが、FIRE後はどのように変わるのでしょうか。
年金制度はFIRE達成後も加入する必要があり、60歳までは国民年金に加入して保険料を収める必要があります。
20~60歳まで40年間収めることで満額がもらえ、未納期間があればその分、分金額が減ります。
つまり、FIRE後に未納期間があれば、満額の月6.5万円すら貰えない試算となります。
そもそも、加入は義務ですので、リアイア後も国民年金保険料を負担することは織り込む必要があります。
厚生年金
FIRE後には厚生年金保険料を収める必要はありません。
ただし、老後の年金受給額に影響が出ます。
つまり、「平均賃金が高く、加入期間が長ければ、年金額が多くなる」ということです。
20年早くリタイアすれば厚生年金は約半分になる
早期リタイアすれば「厚生年金の水準が下がる」ことは避けれません。
つまり、標準的な老後をスタートした以降の金額が大幅にダウンするということです。
45歳でリタイアした人は65歳まで働いた人に比べて、厚生年金の受給額が約半分になるでしょう。
これは厚生年金の設計が「報酬比例」という仕組みであると同時に本人の加入履歴によって年金額が変化する仕組みを採用しているからです。
ということはつまり、通常のFIREに必要な資金の上積みだけではなく、65歳以降の本来のリタイア生活が始まったとき、厚生年金水準がダウンする分を上乗せしてFIREを準備していく必要があります。
標準的な夫婦は合計で約22万円を毎月貰えます。
基礎年金相当を引くと、約10万円が厚生年金に該当します。
人生の半分をリタイアするのであれば、厚生年金が半分、月5万円がダウン、年間60万円になります。
30~35年位の老後を見据えて穴埋めするのであれば、1,800~2,100万円の上積みが必要です。
FIREによって将来の年金額が下がることを見込んで資金準備を行うことは、考慮しておくべき事と思います。
【FIREを達成するための知識】標準的なリタイアを理解しよう
私を始め、FIREは若者を中心に広がりつつある考えですが、目指す人は少数派かと思います。
つまり「普通の生き方をしていたらFIREは達成することはできない」ということです。
そのため、「普通の生き方=標準的なリタイア」への理解があってこそ、FIRE計画が立てられると考えます。
この記事では、「標準的なリタイアがどんなものなのか」について紹介できればと思います。
標準的なリタイアとは?
今現在では、基本的に65歳まで働き、そこから公的年金を受け取ることになります。
60歳から65歳の期間は、正社員として雇う義務はないため会社によってルールが定められています。
一部の会社では65歳まで正社員として働き続ける仕組み(65歳定年制)もありますが、ほとんどの会社では60歳で定年退職とし、再び雇用契約を結び65歳まで雇っています。(継続雇用制度)
この場合、給与は下がり、ボーナスは出ない場合もあります。
こちらは年齢別の高齢者の就業率を表した表です。
年齢階級別に就業率の推移を見てみると、60~64歳、65~69歳、70~74歳では、10年前の平成20(2008)年の就業率と比較して、平成30(2018)年の就業率はそれぞれ11.6ポイント、10.4ポイント、8.4ポイント伸びています。
2018年時点で65~69歳の就業率は46.6%と2人に1人は働き続けているという現実です。
60~64歳に至っては68.8%と3人に2人以上が該当します。
マネープランの見地では、65歳まで無収入の期間を作ると退職金を取り崩すことになります。
そうなると本来は65歳以降の老後生活で使うべき予算を使い切ってしまうこととなり、65歳からは苦しい老後になってしまいます。
つまり、60歳からの再高揚は低賃金になることが多いのですが、それでも65歳まで働き、とにかく取り崩しを抑えることが合理的といえます。
リタイア後の老後生活は「公的年金収入=日常生活費」というバランスで成り立っており、月5万円程度の預金の取り崩しを行い、趣味や教養娯楽費、交際費などを賄うことになります。
年60万としても、老後が30年以上あることを考えれば、2,000万円は確保しておく必要があるということなります。
年金収入で日常生活費を補う老後生活
公的年金収入は終身での給付を保証しているため、どんなに長生きしても、もらい続けることができ、破産もしないことになります。
実際、夫婦二人暮らしの老後生活がうかがえる直近の資料として「令和元年度 生活保障に関する調査」(生命保険文化センター)があります。
この調査によると、「夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考えられている最低日常生活費をみると、平均額は月額で22.1万円」となっています。
公的年金等の収入が21.7万円なので、だいたい同じくらいの金額です。
1ヶ月の生活費が約27万円ほどで、その金5万円の差額は何かというと、「老後を楽しむための予算」ということになります。
冠婚葬祭のために包む金、孫へのお年玉、記念日のためのプレゼント、美術館や映画の観覧などの趣味に使われるお金などがそれらに該当するでしょうか。
年金生活者の多くは家のリフォームや介護などにかかるお金を残しつつ、毎月少し頭痛取り崩して老後生活を過ごしています。
また、資産管理の方法としては「銀行預金」がメインとなっており、この理由としてはマーケットの回復を待てるほどの時間的余裕が減るため、大幅なリスクは取りにくいです。
【FIRE】資産運用の出口戦略「4%ルール」とは?
FIRE達成後に、運用資産を取り崩す方法に「4%ルール」という考え方があります。
名前の通り毎年、資産の4%を取り崩して、その生活費にあてていくというものです。
残りの資産は運用を続けていくこととなります。
この記事を読めば、4%の概要や考え方の基本、注意点などをを知ることができます。
4%ルールとは1
毎年、資産の4%を取り崩すこと
「4%ルール」とは、毎年、形成した資産の4%を取り崩し、残りの資産は運用を継続していく方法のことです。
資産運用の出口戦略で長年にわたっての調査研究がなされており、今もなお色褪せないのが「4%ルール」という取り崩し方法です。
具体的な行動としては以下となります。
・新たな積立投資を停止
・毎年4%ずつ売却する(取り崩す)
・売却で得た資産を生活費に充てていく
・残りは証券口座に保有したまま(=運用したまま)にする
「4%ルール」は、以下の内容が理論上の基準となって、提唱されています。
トリニティ・スタディついて
2
根拠はトリニティ大学の論文「トリニティ・スタディ」
退職プランと経済理論を研究したトリニティ大学における論文「トリニティ・スタディ(Trinity Study)」が基になっています。
原文は以下から読めます。
Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable
トリニティ・スタディによる研究結果は、以下の表にまとめられております。
出典:Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable
(用語解説とシュミレーションの数値)
Stock :株式 Bonds:債権
株式と債券の割合
株式100%
株式75% : 債券25%
株式50%:債券50%
株式25%:債券75%
債券100%
Payout Period:取り崩し期間(リタイア後の年数)
15年
20年
25年
30年
Withdrawal Rate:資産に対する年間取り崩し率(%)
3%~12%
トリニティ・スタディによるシミュレーション
実際に、この相関図を使ってシミュレーションしてみましょう。
例えば、以下のルールの設定で試してみます。
ポートフォリオ:株式75% : 債権25%
取り崩し期間:30年
資産から毎年取り崩す割合:4%
成功 =「30年後に資産が尽きない(10%以上残っている)確率」と定義すると
成功確率:98%
失敗確率:2%
と出ました。
これがFIREの考え方のベースとなっている「4%ルール」です。
仮に、
株式100%:債券0%で、取り崩し率:4%なら、成功確率:95%
株式50%:債券50%で、取り崩し率:4%なら、成功確率:95%
となります。
しかし、こちらの調査が、1926年~1995年と過去のものであること、また、「30年という期間だと早期リタイアのシュミレーションとしては年数が足りない」という点から、次の章では、現代に合わせてフォローアップした研究結果を紹介します。
Early Retire Now筆者の研究結果について3
最新の学術データで再シュミレーション
最新の学術的データとして、2015年に、Early Retire Nowの筆者が、トリニティ・スタディ の研究結果を現代に合わせてフォローアップしたものを発表しました。
1871〜2015年のデータをもとに
取り崩し期間:30〜60年
取り崩し率:3〜5%
で構成されています。
そちらの研究結果は、以下の表にまとめられております。
出典:EarlyRetirementNow https://earlyretirementnow.com/
仮に、40歳でリタイアして、100歳まで生きるとして、60年間に渡る取り崩しの調査結果を、以下の何パターンかでシュミレーションしてみました。
①ポートフォリオ:株式75% : 債権25%
取り崩し期間:60年
資産から毎年取り崩す割合:4%
成功確率:89%
失敗確率:11%
②ポートフォリオ:株式75% : 債権25%
取り崩し期間:60年
資産から毎年取り崩す割合:3.5%
成功確率:65%
失敗確率:35%
③ポートフォリオ:株式50% : 債権50%
取り崩し期間:60年
資産から毎年取り崩す割合:4%
成功確率:97%
失敗確率:3%
ポートフォリオ:株式75% : 債権25%、資産から毎年取り崩す割合:4%の場合、取り崩し期間が30年から60年になることで、成功確率が98%→89%に下がりました。
ただ、「そこまで長生きするのか?」という考えや、公的年金等の受給に期待できる場合など、人によっては必要な資金額はもっと少なくて済むと思います。
出口戦略について
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出口戦略は4%ルール(定率売却)の他に「定額」「期間指定」がある
資産を売却する方法には、代表的な4%ルールという「定率売却」だけでなく、「定額売却」と「期間指定売却」という方法もあります。
定率売却とは
売却指定した投資信託銘柄の保有口数を、指定した割合の口数、「毎月」や「隔月」など、定期的に売却する方法です。
0.1%~50%の範囲で、0.1%単位で指定して売却します。
定額売却とは
指定した受取金額に相当する金額を「毎月」や「年金と同じように隔月」など、定期的に売却する方法です。
期間指定売却とは
売却指定した投資信託の保有口数を、最終受取年月までの売却回数で等分した口数を、「毎月」「隔月」など、定期的に売却する方法です。
注意点について
5
為替リスクがある
日本から米国株式に投資する場合、為替リスクが生じます。
為替リスク:円と外国の為替相場の変動により、外貨建て資産の価値が変動する可能性のこと
トリニティ・スタディはアメリカでの研究結果なので、為替リスクは考慮されておらず、アメリカ人が投資する場合に比べてリスクが増える点には注意が必要です。
ただ、日本人の場合は、老後に公的年金を日本円で受け取ることができるため、公的年金として得る「日本円」と「インデックスファンド」の取り崩しで得られる米ドルという、2種類の通貨で収入を得られ、結果的に「リスク分散できている」という点はメリットかと思います。
インフレリスクがある
4%ルールにおける4%という数字は、米S&P株の成長率7%から、アメリカのインフレ率3%を差し引いて算出されています。
インフレ:モノやサービスの物価が持続的に上昇する経済現象のこと
インフレ率は物価の上昇度合いを表す指標で、前後1年間の消費者物価指数(CPI)を用いて算出されます。
要は、株価が上がっているが、物の値段も上がっているため、その分を差し引いているということです。
ただ、アメリカのインフレ率が約3%なのに対し、日本のインフレ率は1%にも満たない状況が続いているため、計算上はより少ない資産でFIREが可能ということになります。
売却益への税金が考慮されていない
日本では、株式や投資信託を売却したときの利益に対して、20.315%の税金が発生しますが、トリニティ・スタディの研究結果には、この税金が考慮されていません。
そのため、資産を取り崩す際は、手元に残る金額が減ってしまうことに注意しましょう。
まとめ
6
この記事では、資産形成の考え方のベースとなっている「4%ルール」について、元になっている研究結果と現在でも通用するのか?について紹介しました。
FIRE達成に向けて、具体的な数値で見える化するプロセスは、大変重要かと思います。
ただし、今回紹介したデータは、あくまで過去のデータから算出された理論上の確率論で、ルール通りに資産運用を行ったからといって、必ず資産を減らさずに生活し続けられる保証があるわけではありません。
いずれにせよ、4%ルールは資産構築の際の参考程度に留めて置き、何が起こっても臨機応変に対応できるように準備をしておきましょう。
【FIREの種類】FIREの種類は1つだけではない!5種類のFIREの方法と特徴を解説!
FIREとは、経済的自由&早期リタイアのことです。
これまでは一部の投資本やメディアで取り上げられるのみでしたが、最近ではYouTubeやブログなどでもよく見かけるようになり、知名度も徐々に上がってきています。
ただ、その分、FIREに関する情報が溢れているので「どの情報が正しいのか?」「発信者によって言っていることが違う!」と混乱している人もいるようです。
今回の記事を読めば、FIREに関する情報を整理でき、自分にとって最適なスタイルを見つけられるでしょう。
5種類のFIREの方法と特徴を紹介1
それぞれどんなFIRE?
この記事では以下の5種類のFIREを紹介します。
・Fat FIRE(ファットファイア)
・Lean FIRE(リーンファイア)
・Barista FIRE(バリスタファイア)
・Side FIRE(サイドファイア)
・Coast FIRE(コーストファイア)
FIREは「経済的に自立して、様々な選択肢を選べる自由を得る事」です。
ただ、FIREの種類によって「どの程度の生活水準でどのように生きていくか」といった考え方が異なってきます。
もちろん、生活水準は高いに越したことはありませんが、その分、達成のハードルは上がります。
「そもそもFIREとは?」については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください!
Fat FIRE(ファットファイア)とは2
最強のFIRE
十分な経済的余裕を持って、その後の生活水準を下げることなく生活していこうというスタイルのFIRE です。
Fat(ファット)という単語は以下のような意味があります。
・太った
・脂肪の多い
・豊かな、肥沃な
これらの言葉から想像できるように、Fat FIREはリタイア後も贅沢に過ごすことができる点で他のFIREと一線を画しています。
他のFIREは、基本的に「最低限の生活費を賄うこと」に重点が置かれていますが、Fat FIREは、節約、倹約の必要すらないため、幸福度が最も高いFIREといえます。
Lean FIRE(リーンファイア)とは3
一般的に最近流行しているFIRE
質素倹約をしながら、最低限の生活費の中で資産を形するというスタイルのFIREです。
Lean(リーン)という単語は以下のような意味があります。
・無駄がない、効率的な
・体が締まった
・余裕がない、限られている
これらの言葉から想像できるようにLean FIREは、基礎生活費を必要最低限の水準まで削ぎ落すことが求められます。
Lean FIREにおける「ゆとり」は金銭的なゆとりではなく、時間的なゆとりを指します。
つまり、資産収入で賄う基礎生活費以上の物的なゆとり費は不要というスタンスです。
また、基礎生活費も一般的な水準より低い傾向にあります。
Barista FIRE(バリスタファイア)4
一定は働きながら生活費を賄って実現するFIRE
一定の資産を形成した上で、フルタイムの週5勤務を辞めて、頻度を減らしつつも一定は働きながら、パートタイムでの労働で生活費を賄うというスタイルのFIREです。
リタイア後も労働によって、必要な生活費の不足分を賄うセミリタイア型のFIREには「Side FIRE」もありますが、その違いは雇われているか否かとなります。
Barista FIRE=雇われている(パートタイムで稼ぐ)
Side FIRE=雇われていない(副業で稼ぐ)
Barista FIRE(バリスタファイア)という名前はカフェのバリスタが由来です。
アメリカでは日本とは違って、健康保険などの制度が確立されておらず、医療費や保険料が高いです。
フルタイム労働を辞めて、それらを賄おうとすると多額の負担となりますので、Barista FIREの目的には「社会保険の負担を減らす」ということが挙げられます。
Barista FIREは、FIRE後の資金をすべて不労収入に頼らないFIREとなりますので、不労収入をつくるために必要な資金を他のFIREよりも抑えることが可能です。
「無理に不労収入を作らなくても良い」という点でも、かなり再現性が高く、現実的なFIREといえるでしょう。
Side FIRE(サイドファイア)とは5
一定は働きながら生活費を賄って実現するFIRE
一定の資産を形成した上で、フルタイムの週5勤務を辞めて、頻度を減らしつつも一定は働きながら、副業で生活費を賄うというスタイルのFIREです。
リタイア後も労働によって、必要な生活費の不足分を賄うセミリタイア型のFIREには「Barista FIRE」もありますが、その違いは雇われているか否かとなります。
Barista FIRE=雇われている(パートタイムで稼ぐ)
Side FIRE=雇われていない(副業で稼ぐ)
Side FIRE(サイドファイア)という名前は、副業を意味する「サイドビジネス」が由来です。
日本だと、副業に明確な定義はなく「本業以外の収入」くらいの意味で使われることが多いです。
Side FIREは、FIRE後の資金をすべて不労収入に頼らないFIREとなりますので、不労収入をつくるために必要な資金を他のFIREよりも抑えることが可能です。
「無理に不労収入を作らなくても良い」という点でも、かなり再現性が高く、現実的なFIREといえるでしょう。
Coast FIRE(コーストファイア)とは6
資産は保有しているが、敢えて働き続けるFIRE
リタイア後に必要な資産を形成するための元本を用意した後、それには手を付けず、早期リタイアせずに働き続けるというスタイルのFIREです。
Coast(コースト)という単語は以下のような意味があります。
・惰性
・楽に進む
これらの言葉から想像できるように、Coast FIREは仕事に縛られずマイペースに生きていくことを目的とします。
余剰資金はすべて資産運用を行い、FIREまでに必要な資金をつくっていきます。
リタイア後には、FIREに必要な資金が十分に形成されており、ゆとりのある老後生活を送ることが可能です。
労働収入を得るという点ではBarista FIREと似ていますが、以下の違いがあります。
Coast FIRE=フルタイム労働、資産の取り崩しは行わない
Barista FIRE=パートタイム労働、資産の取り崩しを行う
まとめ7
この記事では、5種類のFIREについて、それぞれの特徴やメリット、デメリットを紹介しました。
どのスタイルを選ぶかはあなた次第ですが、この記事をきっかけに「あなた自身のライフプランと向き合う良い機会」になれば、大変嬉しく思います。
「自分にとって、最も幸福度の高いFIREはどれか?」を見つけていただき、私と共にFIREを目指していきましょう!
【FIREの種類】Coast FIRE(コーストファイア)とは?自分にとって最適なスタイルを見つけよう!
この記事では、FIREのスタイルの一つであるCoast FIREを紹介します。
今回の記事を読めば、FIREっぽくないFIREと言われるCoast FIREとはどんなFIREなのか?について理解を深めていただけるかと思いますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
Coast FIRE (コーストファイア)とは1
どんなFIRE?
Coast FIREとは、リタイア後に必要な資産を形成するための元本を用意した後、それには手を付けず、早期リタイアせずに働き続けるというスタイルのFIREです。
元金には手を付けずに福利の効果を生かして、更に資産拡大を狙います。
リタイア後には、FIREに必要な資金が十分に形成されており、ゆとりのある老後生活を送ることが可能です。
資産も取り崩さずに、普通にフルタイム労働して「どこがFIREなの?」と感じられた方も多いかと思いますので、Coast FIREに対する考え方を具体的に説明していきます。
Coast FIREは、元本を確保した段階で達成ですが、あくまでそれは中間地点という考え方をするのが他のFIREと違う点です。
達成の基準は以下の手順で設定します。
Coast FIREの水準に到達すれば、あとは資産を放置しておくだけで増え続けていくため、資産には一切手をつけずにフルタイムの労働で生活費を賄っていければ、事実上のFIRE達成ということになります。
FIRE達成後は、生活費を賄えば良いため、節約をあまりしなくても良いのが特徴です。
また、リタイア後に必要な資金がすでに確保されているため、精神的な負担も軽減されることでしょう。
Barista FIREとの違いは?2
労働形態と資産の取り崩し方法
労働に対する精神的な負担が軽減されるという点では「Barista FIRE」と似ているかもしれませんが、その違いは「労働形態」と「資産の取り崩し方法」にあります。
Coast FIRE=フルタイム労働、資産の取り崩しは行わない
Barista FIRE=パートタイム労働、資産の取り崩しを行う
労働形態に着目すると、Coast FIREはフルタイム労働であるのに対して、Barista FIREはパートタイム労働であるという違いがあります。
資産の取り崩し方に着目すると、Coast FIREは資産には手を付けずに再投資するのに対して、Barista FIREは資産を取り崩すという違いがあります。
自分のスタイルにあったFIREを目指すと良いでしょう。
め メリットは?3
リタイア後の心の余裕が大きい
Coast FIREは、他のFIREと比べて「リタイア後」の資金形成に力を入れるスタイルです。
労働で得た収入から待った金額を資産運用に回し、資産運用で発生した利益や配当金や分配金も再投資するため、複利効果(入金力✗時間)でリタイア時には爆発的な資産となっている可能性もあり得るでしょう。
その資産は間違いなく、あなたの老後資金を支えてくれることでしょう。
Coast FIREは、達成するで永遠と資産運用にプールしていく方法のため、資産運用の鉄則である「長期✗積立」と相性が良いのです。
節約や副業をする必要がない
FIRE到達後の資産は、放置のみで目標金額まで膨れ上がっていくため、フルタイムで稼いだ収入は、全てを基礎生活費や浪費に充てることができます。
もちろん過度な浪費は禁物ですが、自身で想定する老後の資金問題はクリアしているため、特に心配をすることなく、安心してお金を使える状態というのは、かなり幸福度の高い生き方が実現できるといえるのではないでしょうか。
また、他のFIREでは、マイホームや車等の購入も諦める必要が出てくるかもしれませんが、Coast FIREはある意味「普通の暮らし」に近いため、「FIREのために諦めなくてはいけないものが減る」や「周囲にも理解されやすい」といったメリットもあるかもしれません。
ライフプランの変化に応じて柔軟に生き方を選択できる
Coast FIREは、早期リタイアはしないものの、お金の悩みからは解放されている状態なので、生き方を柔軟に選択しやすいといえます。
例えば、働いている会社の現状に不満があれば気軽に転職できますし、満足しているのであればそのまま働くという選択をすることもできます。
また、FIRE到達後も余剰資金で追加投資をしたり、副業を取り組むことで得られる不労所得によって、他のFIREに切り替えるという選択をすることも可能です。
例えば、以下の例が挙げられます。
・十分な資産形成ができている→Fat FIREに切り替える
・働き続けたいが労働の負担を減らしたい→Barista FIREに切り替える
ライフプランの変化に応じて柔軟に対応できるというメリットは、他のFIREにはない、「Coast FIREの特権」ともいえるでしょう。
デメリットは?4
リタイアまでに時間がかかる
Coast FIREは、フルタイムの労働を前提としているため、リタイアするまでに時間が必要となります。
これは「早期リタイア」を前提としている他のFIREとは考え方自体が異なるため、当たり前かもしれませんが「早く仕事を辞めたい」「自由時間が欲しい」と考える人にとっては、向かないスタイルになるかもしれません。
老後のライフプランは豊かにすることができますが、フルタイム労働を続けなければならないというのはデメリットになるでしょう。
FIREの実感が薄い
フルタイム労働を続けなければならないため「FIRE達成」という実感は薄いでしょう。
これは、その人の感覚によるため必ずそうとは限りませんが、早期リタイアを達成することで「フルタイム労働を辞める」や「自由な時間を好きなことに充てる」等のアクションを起こす他のFIREと比べて、変化が少ないために実感が薄いということは考えられるでしょう。
また、比較的知名度の低いFIREスタイルのため、実際にシミュレーションしてみるとCoast FIREを達成していたという人はたくさんいるのではないでしょうか。
達成するために必要な資産は?5
シュミレーションしてみました
FIREの前提条件として
- 生活費の25年分の資産を用意する
- 資産を利回り4%で運用に回す
- 資産収入>生活費
こちらを元に考えます。
その場合の生活費と必要資産の目安は以下となります。
月間生活費 | 年間生活費 | 必要金額(目安) |
---|---|---|
8万円 | 96万円 | 2,400万円 |
9万円 | 108万円 | 2,700万円 |
10万円 | 120万円 | 3,000万円 |
12万円 | 144万円 | 3,600万円 |
15万円 | 180万円 | 4,500万円 |
まとめ6
今回の記事では「Coast FIREとはどんなFIREなのか」について、メリット、デメリットやシュミレーションを交えて紹介させていただきました。
Coast FIREは、リタイアまで仕事はフルタイムで楽しみ、リタイア後はゆとりのある老後を過ごしたいという人が目指すべきFIREです。
FIRE達成後は、仕事に縛られるリスクは減らせますし、適度に労働を続けることによって最終目標のリタイア後には豊かなライフプランを設計することができます。
本気で目指すのであれば、しっかりと計画を練っていき、着実に進めていく必要があります。
今回の記事で解説させていただいた内容を踏まえ、ぜひ一度検討してみてください!
【FIREの種類】Side FIRE(サイドファイア)とは?自分にとって最適なスタイルを見つけよう!
この記事では、FIREのスタイルの一つであるSide FIREを紹介します。
今回の記事を読めば、副業で収入を得ながら実現するSide FIREとはどんなFIREなのか?について理解を深めていただけるかと思いますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
Side FIRE(サイドファイア)とは1
どんなFIRE?
一定の資産を形成した上で、フルタイムの週5勤務を辞めて、一定は働きながら生活費を賄うというスタイルのFIREです。
通常のFIREは労働を行わない完全リタイア型であるのに対し、Side FIREは生活費の約半分を副業による収入で賄うため、セミリタイア型と言われます。
Side FIREは、FIRE達成後も働き続けることになるため、完全リタイア型と比べて、達成に必要な金額が少なく済み、早い期間で達成させることが可能です。
「無理に不労収入を作らなくても良い」という点でかなり再現性が高く、現実的なFIREといえるでしょう。
また、「完全に仕事を辞めるのは不安」と感じる方に最適なスタイルかと思います。
Barista FIREとの違いは?2
雇われているか雇われていないか
リタイア後も労働によって、必要な生活費の不足分を賄うセミリタイア型のFIREには「Barista FIRE」もありますが、その違いは雇われているか否かとなります。
Side FIRE=雇われていない(副業で稼ぐ)
Barista FIRE=雇われている(パートタイム・アルバイトで稼ぐ)
労働の形態として、Side FIREの場合は、属性がフリーランスに近く、収入が安定しにくいが、収入を大きく向上させるチャンスがある、Barista FIREの場合は、パートタイム労働なので比較的収入が安定しやすいが、収入を大きく向上させることは難しいといった違いはあります。
自分のスタイルにあったFIREを目指すと良いでしょう。
め メリットは?3
達成までの期間が短い
Side FIREは、FIRE達成に必要な資金が少なく済むため、短い期間で達成できます。
例えば、生活費の半分を不労所得、半分を労働で賄うようにすれば、一般的な25倍ルールではなく、半分の12.5倍の資産を形成すれば良いことになります。
フルタイムの週5勤務を辞めて、好きな仕事をして稼ぐというスタイルであれば、むしろ楽しめるという人も多いのではないでしょうか。
FIRE達成に必要な資金は後ほど紹介しますが、完全リタイア型のFIREに比べて、少なく済み、比較的ハードルが低いことが分かるかと思います。
好きを労働にできる
収入源を自由に選択することができ、結果的にストレスフリーで労働できる可能性が高まると考えます。
例えば、有名な副業として、ブログ、YouTube、アフィリエイト、Webライティング、スキル販売などがありますが、これらの中から自分に向いているものを選択すれば良く、自由度の低いフルタイム労働に比べると、ストレスはよっぽど小さいでしょう。
フルタイムで会社に属しつつ、生活やお金のために働くということは、毎日8時間、週5日間、それを約40年以上も続けるということです。
また、満員電車での通勤や、必ずしも好きなことではない業務をこなす必要があり、ウマが合わない上司とも関わることになるでしょう。
Side FIREでは、そのような煩わしさを全て取り払うことができ、自分のペースで、自分の趣味や特技を生かした好きな副業で稼ぐというスタイルを取ることができます。
もちろん、副業で稼ぐのは簡単なことではないですが、Side FIREを目指す人はある程度、自分の副業(稼ぐ方法)を持っている人が多いものかと思います。
一度手にしたスキルは誰にも奪われることは無く、FIRE達成後も収入源の柱として、生活を支えてくれることでしょう。
相場の暴落に強い
相場の暴落によって不労所得が減っても、労働収入があるため、労働を増やすことで資産を取り崩さなくて済む等の柔軟な対応が可能となります。
労働所得があるSide FIREの場合、精神的な負担は軽く済みますが、労働所得が無い通常のFIREの場合は、精神的な負担は大きくなります。
金融資本と人的資本のバランスが取れているSide FIREは暴落に強いといえるでしょう。
デメリットは?4
副業へのウエイトが大きい
副業による収入は、自らの努力次第では収入を大幅にupさせることも可能ですが、逆に安定しないというデメリットがあります。
例として以下のことが挙げられます。
・病気で入院して、YouTube撮影ができなくなってしまった
・ブログのサービスが終了し、プラットフォームが無くなってしまった
副業で稼ぐということは、最低でも現状維持をする必要があるということなので、何かしらの要因で収入源が減る、もしくは途絶えた場合は、生活が困窮する可能性があります。
生活水準を上げられない
Side FIREは、生活費の約半分を副業による収入で賄うため、自らの努力次第では収入を大幅にupさせることも可能ですが、収入が現状維持の場合は、生活水準も現状維持とする必要があります。
月々の金融資産からの収入が10万円程度、労働による収入も10万円程度となると、決して高い水準の生活はできないでしょう。
月々10~20万円程度で幸福度の高い生活を送れるか?については十分に見極めておく必要があるでしょう。
相場暴落時には働き方を変える必要があるかもしれない
不労所得のみに依存していない点は「柔軟に対応できる」というメリットでもありますが、逆の意味で捉えると、場合によっては働き方を変える必要がある=労働を増やす必要があるかもしれないということがいえます。
Side FIREは、労働による負担を減らしたいという目的で目指す方が大半かと思いますが、不労所得の減少を労働所得で賄う→労働の負担増という構図になってしまった場合は、本末転倒です。
また、副業で一気に収入をupさせるのは、ある程度限界があるでしょう。
達成するために必要な資産は?5
シュミレーションしてみました
FIREの前提条件として
- 生活費の25年分の資産を用意する
- 資産を利回り4%で運用に回す
- 資産収入>生活費
という考え方がありますが、Side FIREは働き続けながら資産形成するスタイルのため、ここでは「生活費の半分を不労所得、半分を労働で賄う」という前提で、事前に用意する必要のある資産は12.5年分でシミュレーションを行います。
Side FIREの前提
- 生活費の2512.5年分の資産を用意する
- 資産を利回り4%で運用に回す
- 資産収入>生活費
こちらを元に考えます。
その場合の生活費と必要資産の目安は以下となります。
月間生活費 | 年間生活費 | 必要金額(目安) |
---|---|---|
8万円 | 96万円 | 1,200万円 |
10万円 | 120万円 | 1,500万円 |
12万円 | 144万円 | 1,800万円 |
15万円 | 180万円 | 2,250万円 |
20万円 | 240万円 | 3,000万円 |
どうでしょうか。
Side FIREは、そのスタイルが故に必要資金が少なくて済み、達成へのハードル相対的に低いものかと思います。
まとめ6
今回の記事では「Side FIREとはどんなFIREなのか」について、メリット、デメリットやシュミレーションを交えて紹介させていただきました。
Side FIREは、労働の負担を減らしたい、好きなことをして稼ぎたいという人が目指すべきスタイルだと思います。
完全にリタイアするというよりもセミリタイアに近い状態ですが、達成難易度が相対的に低く、収入も途絶えないため精神的なゆとりも持てる生き方です。
また、リタイア後の生活設計がしやすいといったメリットもあります。
本気で目指すのであれば、しっかりと計画を練っていき、着実に進めていく必要があります。
今回の記事で解説させていただいた内容を踏まえ、ぜひ一度検討してみてください!
【FIREの種類】Barista FIRE(バリスタファイア)とは?自分にとって最適なスタイルを見つけよう!
この記事では、FIREのスタイルの一つであるBarista FIREを紹介します。
今回の記事を読めば、パートタイム(アルバイト)で働きながら達成を目指すBarista FIREとはどんなFIREなのか?について理解を深めていただけるかと思いますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
Barista FIRE(バリスタファイア)とは1
どんなFIRE?
一定の資産を形成した上で、フルタイムの週5勤務を辞めて、頻度を減らしつつも一定は働きながら生活費を賄うというスタイルのFIREです。
通常のFIREは労働を行わない完全リタイア型であるのに対し、Barista FIREは生活費の約半分をパートタイム(アルバイト)で賄うため、セミリタイア型と言われます。
資産収入である程度のお金を貯めた上で、好きな仕事を週2~3日程度続けて生活費を補填するといったイメージとなります。
Barista FIREは、FIRE達成後も働き続けることになるため、完全リタイア型と比べて、達成に必要な金額が少なく済み、早い期間で達成させることが可能です。
「無理に不労収入を作らなくても良い」という点でかなり再現性が高く、現実的なFIREといえるでしょう。
また、「完全に仕事を辞めるのは不安」と感じる方に最適なスタイルかと思います。
め Side FIREとの違いは?2
雇われているか雇われていないか
リタイア後も労働によって、必要な生活費の不足分を賄うセミリタイア型のFIREには「Side FIRE」もありますが、その違いは雇われているか否かとなります。
Barista FIRE=雇われている(パートタイムで稼ぐ)
Side FIRE=雇われていない(副業で稼ぐ)
労働の形態として、Barista FIREの場合は、パートタイム労働なので比較的収入が安定しやすいが、収入を大きく向上させることは難しい、Side FIREの場合は、属性がフリーランスに近く、収入が安定しにくいが、収入を大きく向上させるチャンスがあるといった違いはあります。
自分のスタイルにあったFIREを目指すと良いでしょう。
め メリットは?3
達成までの期間が短い
Barista FIREは、FIRE達成に必要な資金が少なく済むため、短い期間で達成できます。
例えば、生活費の半分を不労所得、半分を労働で賄うようにすれば、一般的な25倍ルールではなく、半分の12.5倍の資産を形成すれば良いことになります。
フルタイムの週5勤務を辞めて、週2~3日の労働であれば、むしろ楽しめるという人も多いのではないでしょうか。
FIRE達成に必要な資金は後ほど紹介しますが、完全リタイア型のFIREに比べて、少なく済み、比較的ハードルが低いことが分かるかと思います。
社会保険の負担を減らせる
FIRE達成後の働き方によりますが、社会保険料金の負担を減らせるケースがあります。
※FIRE後に条件(後述)を満たさない場合は、国民健康保険に加入することとなります。
※社会保険=健康保険、介護保険、厚生年金保険等を総称して社会保険と呼ばれます。
社会保険に加入することで得られるメリットを以下にまとめました。
まず、保険料及び保証面において得られるメリットを説明します。
「健康保険」に加入することで保険料が安くなったり、保証が厚くなります。
「国民健康保険」と一般的な会社員が加入している「健康保険」の違いを以下の表にまとめました。
赤字が健康保険に加入できないことによるデメリットとなります。
このように「健康保険」に加入することで「国民健康保険」では得られない優遇があることが分かります。
次に、年金において得られるメリットを説明します。
「社会保険」に加入することで誰もが受け取れる基礎年金に加え、厚生年金も受け取れるようになります。
月に88,000円の賃金を得た場合に、貰える厚生年金がどれだけ増えるかのシュミレーションは以下の通りです。
保険料の負担額が減る上で貰える年金が増えるのはかなりのメリットかと思います。
最後に、健康保険に加入するために満たす必要がある条件を説明します。
以下の表にまとめております。
この表から「社会保険に加入できる最低限の時間だけ働く」ことがベストな選択として考えられそうです。
具体的には、「週に20時間働き、月に88,000円の賃金を得る」というラインが狙い目でしょう。
相場の暴落に強い
相場の暴落によって不労所得が減っても、労働収入があるため、労働を増やすことで資産を取り崩さなくて済む等の柔軟な対応が可能となります。
労働所得があるBarista FIREの場合、精神的な負担は軽く済みますが、労働所得が無い通常のFIREの場合は、精神的な負担は大きくなります。
また、相場が暴落している際に仕事を探し始めると、どうしても待遇の悪い場所で働く羽目になってしまうかもしれません。
その点、Barista FIREは継続して働いている状態のため、良い条件で働き続けられるというメリットも得られる可能性があります。
金融資本と人的資本のバランスが取れているBarista FIREは暴落に強いといえるでしょう。
デメリットは?4
雇われ続ける保証はない
パートやアルバイトで働くことになるため、不景気となった際には真っ先にクビになる可能性が高いです。
正社員に比べて、雇用契約上の優先順位が低いからです。
雇用されない状態が何ヶ月も続いた場合、条件を満たせば、しばらくの間は失業保険を受け取る事はできますが、ずっと適用されるわけではありません。
最悪の場合、上記で説明した社会保険加入のメリットが得られなくなる可能性もあるため、注意が必要です。
生活水準を上げられない
他のFIREにも共通して言えることですが、特にBarista FIREはパートやアルバイトで働くことになるため、収入の天井がある程度見えており、大幅にupさせることは難しいでしょう。
月々の金融資産からの収入が10万円程度、労働による収入も10万円程度となると、決して高い水準の生活はできないでしょう。
月々10~20万円程度で幸福度の高い生活を送れるか?については十分に見極めておく必要があるでしょう。
相場暴落時には働き方を変える必要があるかもしれない
不労所得のみに依存していない点は「柔軟に対応できる」というメリットでもありますが、逆の意味で捉えると、場合によっては働き方を変える必要がある=労働を増やす必要があるかもしれないということがいえます。
Barista FIREは、労働による負担を減らしたいという目的で目指す方が大半かと思いますが、不労所得の減少を労働所得で賄う→労働の負担増という構図になってしまった場合は、本末転倒です。
達成するために必要な資産は?5
シュミレーションしてみました
FIREの前提条件として
- 生活費の25年分の資産を用意する
- 資産を利回り4%で運用に回す
- 資産収入>生活費
という考え方がありますが、Barista FIREは働き続けながら資産形成するスタイルのため、ここでは「生活費の半分を不労所得、半分を労働で賄う」という前提で、事前に用意する必要のある資産は12.5年分でシミュレーションを行います。
Barista FIREの前提
- 生活費の2512.5年分の資産を用意する
- 資産を利回り4%で運用に回す
- 資産収入>生活費
こちらを元に考えます。
その場合の生活費と必要資産の目安は以下となります。
月間生活費 | 年間生活費 | 必要金額(目安) |
---|---|---|
8万円 | 96万円 | 1,200万円 |
10万円 | 120万円 | 1,500万円 |
12万円 | 144万円 | 1,800万円 |
15万円 | 180万円 | 2,250万円 |
20万円 | 240万円 | 3,000万円 |
どうでしょうか。
Barista FIREは、そのスタイルが故に必要資金が少なくて済み、達成へのハードル相対的に低いものかと思います。
まとめ6
今回の記事では「Barista FIREとはどんなFIREなのか」について、メリット、デメリットやシュミレーションを交えて紹介させていただきました。
Barista FIREは、労働の負担を減らしたい、社会保険等のメリットを受けたい、FIRE後も社会と継がっていたいという人が目指すべきスタイルだと思います。
完全にリタイアするというよりもセミリタイアに近い状態ですが、達成難易度が相対的に低く、収入も途絶えないため精神的なゆとりも持てる生き方です。
また、リタイア後の生活設計がしやすいといったメリットもあります。
本気で目指すのであれば、しっかりと計画を練っていき、着実に進めていく必要があります。
今回の記事で解説させていただいた内容を踏まえ、ぜひ一度検討してみてください!